宮本しづえのかけ歩き

あかるくあたたかい県政へ

1年2か月ぶり2度目の第一原発視察、事故は収束どころでなく見通し立たない状況のまま

 19日、共産党県議団として1年2か月ぶりに福島第一原発の現地調査に入りました。笠井亮衆院議員、松崎鹿児島県議、井上薩摩川内市議も同行、総勢24人の大調査団です。

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 Jビレッジから第一原発に向かうバスの中で、楢葉町、富岡町、大熊町原発に近づくにつれて放射線量が上がり、6号線から第一原発に右折して間もなくの地点では毎時26μシーベルト計測されました。

 

 収束作業の司令塔、免震重要棟では笠井議員が東電社員に挨拶、説明を受けました。国の職員がいるはずなのに顔を見せず、規制庁が4月から第一原発に対応する職員を10名増員すると福島県に伝えていたにもかかわらず、現場への増員はなく、東電社員もそのことを全く知らされていなかった様子で、私がそのことを質問したら驚いたような顔をしたので、むしろ私たちの方が驚いてしまいました。収束作業のどの部分も国が前面に出て取り組む姿は見られません。安倍首相が前日福島県入りして、サクランボをほお張りしきりに安全をPRするものの、肝心の収束作業の責任は取ろうとしていません。

 第一原発内は、1日約6000人近くが作業しており、事故原発敷地内は片付き新たな建設事業が進むなど一見収束作業が順調に進行しているかに見えるものの、その内実は確実性に乏しく安全な収束とは程遠い状況です。

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 今回初めてALPSと呼ばれる多核種除去装置の建物内に入りましたが、3系統ある中で稼働しているのは1系統だけで、2系統は不具合があり調整中でした。

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 去年の9月に県議会全員協議会の際の東電説明では、この施設は8系統に増設され、1日2000tの汚染水が処理できる予定でしたが、今もって1日250tしか処理できていません。たまり続ける汚染水を東電は建屋の山側で汲み上げ海に流す計画です。また建屋の山側に周囲1.5キロ近い凍土壁を作り地下水を止める事業の実証試験地も見ましたが、規制委員会の専門家からも効果を疑問視する意見が出され、そのまま事業化できるのかは不明です。世界の知見を結集した地下水の抜本対策が先送りされていることが何よりも問題です。

 共産党が一貫して求めてきた作業員の労働環境改善では、ようやく1000人が休める休憩室兼食堂の建設工事が来年3月までには完成します。気温23°C程度でも半面マスクにタイベックを来て幾重にも手袋とソックスを着けると、さすがに熱くて汗ばみます。真夏の気候での作業がどんなに厳しいものか想像に難くなく、1日も早い完成を望みます。