宮本しづえのかけ歩き

あかるくあたたかい県政へ

復興加速化、風評被害対策特別委員会で県外調査。八女市、熊本県、水俣市を調査

 7月29日から31日まで、復興加速化、風評対策特別委員会で九州に県外調査。水害被害に見舞われた長崎県八女市、県の危機管理、水害ダメージから観光客を取り戻す戦略、チッソによる有機水銀公害で深刻な被害が出た水俣市を視察しました。

 八女市の水害は観測史上最大の雨量が襲い甚大な被害が発生。河川は単なる復旧ではなく、予防的な改修事業を行っていました。被災者はほぼ2年で仮設住宅から抜け出せる見通しとのことで、自然災害と原発被害の違いを改めて感じさせられました。

 水俣市では、有機水銀による水俣病が公害認定されてから56年が経過。市は公害のまちから環境モデル都市宣言し、環境問題に取り組む先進市となった取り組みが説明されました。市役所の壁面にも太陽光発電装置がありました。

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 漁協の組合長さんも同席され、公害が明らかになった当時の話で子ども時代なので自分たちはいつも川に入って魚を取るのを遊びにしていたが、魚が取れなくなって寂しい思いをしたことなどを振り返っていました。しかし、風評被害をどのように払しょくしてきたのか、当時のことを知る人はあまりいないらしい。当時三木首相が現地調査に来て、魚を食べてもらい大丈夫だと大大的に宣伝したそうです。 科学的に安全を確認するには測るしかないが、現在も年1回モニタリング調査を行っているとのことです。

 有機水銀で汚染された海のヘドロはドラム缶に詰めて海に埋め立て、58ヘクタールのエコパークになっていました。ドラム缶に詰めた物はそのまま海に埋め立てられており、このままにしておくしかないと言います。

 チッソの城下町の水俣市は、ピーク時は5万人の人口があったが、水俣病が明らかになり人口は半減、現在は2万6500人。 チッソ出身の市長まで出る中で、市長が公式に謝罪したのは1994年と1956年の第一号患者認定から実に38年が経過してからのことです。国は特措法を作り認定申請期限を設定、既に期限切れですがそこまでに申請できなかったという人もいて、早く終わりにしたい国の対応の問題も明らかで、福島と水俣に共通するのは、公害を出した企業は救済するが、被災住民は切り捨てる国の姿勢です。

 県議団が7月28日石巻市に現地調査に入った際に漁港も視察。そこで魚の非破壊式で水揚げされた魚の全量検査を行っている状況を見せてもらったとのこと。大型の魚と小魚と2つのレーンで検出限界値100ベクレルで検査しています。宮城の話では、福島でもどうかと提起したが福島からは断られたらしい。本格操業が見えない中で、やれることは何でもやって、漁業の展望を開く必要があるのではないでしょうか。

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石巻漁港での魚の放射能検査機械を視察する県議団