宮本しづえのかけ歩き

あかるくあたたかい県政へ

葛尾村の中間処理施設を視察。見渡す限りの除染と片付けゴミの山、それでも予定処理量の3割程度とは

 12日、県議団で葛尾村の中間処理施設を視察。関係者からあそこのごみの山を一度見ておいた方がいいと勧められていたもので、ようやく実現しました。葛尾村役場で待ち合わせた環境省の案内で帰還困難区域内にある施設に到着。この施設は今年の4月に稼働開始しています。葛尾村のものだけの中間処理に371億円が投じられ、建設、処理、解体合わせて4年間で壊されます。

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焼却処理施設周辺には仮置きされた解体ゴミや片付けゴミ、除染で出た焼却ごみが見渡す限りに積み上げられています。この施設では約13万トンのゴミを焼却して10分の1に減容化します。あたり一面に積まれたごみの量はそれでも約3割程度というから葛尾村だけでもいかに膨大な量のゴミが出るかに驚かされます。

説明を受けたのち、施設の中に入るためにタイベックを着て防護マスクの重装備をしなければなりません。中の作業員にとっても大変な負担の作業です。

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破砕の前処理をしたストックヤードを見ると、除染の際に選別したとはいえ相当の汚染土が混じっていました。建物の中の線量は0.4μシーベルト位、建物の外では2μを超えていました。燃やした灰や飛灰は、10万ベクレル以下と以上で区別され、以下の灰はコンクリート固化して中間貯蔵施設へ、以上の灰は埋め立て処分場に搬入する計画ですが、いずれも見通しは立っていません。

 1日200tの廃棄物を焼却、2年間で処理を終える計画です。基本的にその地域で出た廃棄物はその地域で中間処理して減容化し、中間貯蔵施設に搬入するため、このような施設が計画されているものだけでも19か所に上ります。

 福島市のものは飯舘村が引き受けてくれるため市内には作られません。しかし、二本松市東和のように住民が7千筆を超す反対署名とともに設置反対の住民運動が起こっている地区もあります。今日担当者にどう考えているのか訊くと、あくまで丁寧な説明を行いたいと述べるだけで、計画を見直す考えはない模様です。中間処理だけでも膨大な費用を要する放射能汚染廃棄物が出る原発事故、やはり原発は止めるしかありません。