宮本しづえのかけ歩き

あかるくあたたかい県政へ

8月2から4日で人口問題特別委員会の県内視察。高齢化率6割の金山町、人口増加の西郷村等で様々な施策を調査

 2日から4日にかけて、特別委員会の県内調査。初日は、ワークライフバランスに取り組む東邦銀行東邦銀行内の地域総合研究所から人口減少問題の各種調査に基づく提言を聴きました。傾向としては全国同様ですが、男性の既婚率は正規社員が圧倒的に高く、約3倍の差があるとの報告。労働者の正規化が結婚を促すとの指摘は非常に的を射ている。また、人口の社会的動態で注目すべきは、大学進学を機に福島を出る青年が多いことです。県内大学改革の重要性が強調されました。

 福島医科大学に整備が進む国際医療科学センターを視察。菊地理事長は、原発事故で100人の医師がいなくなり戻っていない、全国の支援があって 震災後良くここまで持ちこたえてきたというのが実感だと述べていました。医師の確保とともに、看護師の確保の見通しについて聴くと、今年度では60人が不足の状態、来年度100人の採用を計画しており、一次試験で36人が合格したとのこと。小児やがん病棟など新たな医療を行う病棟開設までにはまだ苦闘が続きそう。

 2日目は高齢化率6割の会津金山町で町長から話を伺いました。子育て支援条例をつくり力を入れています。県立川口高校の生徒集めのため、町は独自に寄宿舎を建設し、運営費の持ち出しも含めると年間で1億円に上り、何とか県に支援してほしいとの要望が。私からは、これは本来県が行うべき事業であり、町に負担させているのは申し訳ないと述べ、会津振興局の調査でも教育事務所に対応の検討を求めました。金山町は学校給食費の無料化にも取り組んでいて、食材費の町負担は年間3000万円とのこと。

 午後は人口増加の市に郷村で調査。村長から話を聞きました。西郷村は大きな企業が進出して雇用の場が確保されていることが大きい。同時に村長は毎年1度は村内の企業を訪問して懇談を続けていると言います。雇用形態がどうなっているかは企業がなかなか教えてくれないとのこと。ここは第三子以降の保育料と給食費の無料化を行っています。

 3日目、県南振興局で地域の状況を調査。県南方部は子育て支援では給食費の補助に取り組む自治体が多いことを指摘、県としても支援を検討すべきと求めました。東白と西白では人口減少にも大きな格差があることから、県として原因を分析し思い切った対策を講ずる必要があると各議員からも指摘されました。

ここで注目したのは、思春期保険教育に取り組み成果を上げていることです。県南地方は人工妊娠中絶が多く、1994年には197人だったが、2015年には28人まで減少したと言います。思春期の子供たちへの適切な性教育がいかに大切かが分かります。

 最後に訪問したのは女性が95%を占める三恵クレアという原町区にある事業所。女性の技術者を確保するために1981年に託児所を開設とのこと。原発事故で75人いた従業員は55人で再開、売り上げは事故前には戻っておらず人で不足感がつづしてぃるとのこと。これまでは子育て支援が主だったが、従業員の高齢化で介護の問題も深刻化していると言います。女性が働き続けるためには、まだまだ課題が多いと社長が話してくれました。

 この無認可保育所は今では他の事業所との共同経営だが、県の補助金は受けていません。スプリンクラーの設置など要件を満たしていないためだとのこと。子どもの保育環境改善のためにも補助金の見直しが必要です。