宮本しづえのかけ歩き

あかるくあたたかい県政へ

県の地域医療構想の素案が示され、現状の病床数から4075床少ない計画に。

 昨日、県の地域医療構想の素案が提示されました。国の病床数削減計画に基づき、都道府県に2025年の必要病床数を割り出し計画策定を義務付けたもの。

 2016年時点の県内の病床数は、精神科と結核病棟を除くと19472床、これに対して国の推計計算方法による2025年の必要病床数は15397床で4075床少ない計画です。特に乖離が大きいのは急性期病床で、県内医療機関が昨年の時点で6年後の病床機能別ベッド数の見込みを報告しているものでは、12162床なのに対して、計画では5380床と半分以下となっています。病院の急性期病床を大幅に削減し、回復期病床や在宅に移行させる狙いです。一般病床を急性期病床として運営されているのが実態であり、この部分は縮小できないというのが医療機関の判断です。しかし、国は診療報酬体系を更に厳しくすることで、県の計画を事実上達成させようとしているわけです。急性期の縛りを厳しくすれば、入院が必要な患者でも追い出されることにならざるを得ません。患者さんの治癒よりも医療費削減の方が大事ということです。

 地域医療構想には強制力はなくあくまでも目安に過ぎないとしていますが、国は、医療も介護も施設から在宅への移行を推進する計画です。在宅が不可能だから介護施設や療養型病床が整備されてきたのに、これを元に戻そうとすれば、行き場のない高齢者が多数出てくることは必至。社会保障費削減のための数字合わせで高齢者を切り捨てるようなことがあってはなりません。