宮本しづえのかけ歩き

あかるくあたたかい県政へ

水素社会に研究者から次々と疑問の声。水素エネルギー社会は幻想との意見も

 政府は,未来のエネルギーとして水素社会の実現を掲げていますが、研究者の間からは次々と疑問視する声が上がっています。水素はエコでクリーンなエネルギーとの売込みですが、水素は自然界に単体では存在しないため、使える水素を作るためにエネルギーが必要、そのエネルギーが再生可能エネルギーならクリーンだから良いのではないかという理屈。しかし、水や炭素化合物から水素を取り出し、その水素を使った燃料電池で電気に変える複雑な工程を経るなら、再生可能エネルギーを直接電気に変える方がずっと効率的であることは誰が考えても明らか。エネルギーの総合効率は35%と言われます。

 効率の悪いエネルギーを未来のエネルギーなどともてはやし、水素元年などとはしゃいでいるのは、化学工業の歴史を知らない人の妄想と指摘する識者もいるほど。

 水素を使った燃料電池車は、電気自動車との燃費比較でも決して安くないと試算されており、国民の税金をつぎ込んでまで普及すべき技術とは考えられません。

トヨタ燃料電池車МIRAIは1台700万円を超す価格、国が200万円の補助をし、これに福島県が更に100万円の補助の上乗せを行う計画で、1台につき300万円(4割を超す)補助金を付けることになります。福島県補助金額は、トヨタの本拠地愛知県の補助金75万円をも上回るものです。

 震災と原発事故からの復興に懸命に取り組む県民にとって、高嶺の花の高級車に1台300万円の補助金はどのように映るのでしょうか。税金の使い方としては大いに問題ありではないでしょうか。

 日本の大企業の内部留保金が400兆円に達したと報道されています。エネルギー分野の研究開発も実用化の見通しが立つものはどんどん企業が進めていきます。税金を投入する必要など全くなく、儲かった利益で研究開発すればいいのです。