宮本しづえのかけ歩き

あかるくあたたかい県政へ

9日、東電第一原発視察、京都からの参加も含め18人が参加。まだまだ程遠い廃炉の道のり

 9日、県議団としての東電第一原発視察、継続し支援しもらっいる京都からも6人が参加し、総勢18人が参加しました。最初に昨年開設した東電の廃炉資料館内を視察。シアターで事故当時の様子が映し出されます。冒頭に事故を起こしたことを深く反省する述べ、安全だと思い込んでいたのは私たちのおごりだったと言う表現もありました。最後の質疑の中で、反省とおごりを言うのなら、今も続く深刻な被害に対してもっと真摯に向き合うべきだ、今の東電からはその姿勢は感じられないと指摘し、改善を求めました。

 原発構内視察は主にバスの中から見るため、重装備は必要なく、降車したのは真下に第一から第四原発までが見渡せる高台の1か所のみ。それでも降りて説明を受けた地点は100μシーベルト近くあり、昨日のトータルの被曝線量は20μシーベルト。高台から見る事故原発の様子は少しずつ作業が進んでいるものの、1号機の屋上のがれきは相当量残っていました。3号機は燃料取り出しのためのかまぼこ状の屋根が出来上がり、取り出しが始まっていましたが、7体のみでこれからが本格的作業になります。

 バスで2、3号機の間を通り抜けた際の線量は最大で約300μシーベルト、去年は400μシーベルトを超えていたので若干は下がっていますが依然として高線量。海側の通路からは建屋で作業する多くの作業員の姿が確認ありましたが、全員が全面マスクを使用しており、これから暑くなるので線量の高い場所での作業は大変だと実感しました。現在構内の作業員数は1日4千人とのこと。

 汚染水は貯蔵量が110万tに到達、今後130万t程度までは現在の敷地で対応できるので3年間位はもつかととの話です。汚染水の8割以上が外部に放出する基準を超えていた問題について、これは国も承知していたのか聞くと、国と協議しながら敷地境界の年間1ミリジーベルト以下を確保することを優先したと説明。フィルターの交換が不十分だったことが基準値を超えた要因と思われますが、交換の頻度を高めるよう国は指導すべきだったと思います。

 最後に、第二原発廃炉の検討を表明して1年近くになるのに、未だに決断していない。第二の廃炉は福島復興の前提であり、東電の責任が問われる問題だと参加者から厳しく指摘し視察を終えました。

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R114号線は中間貯蔵施設に除去土壌を運搬する車が列をなして走っています。

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廃炉資料館前で全員で記念写真

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資料館内を最初に案内。説明を受ける参加者

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資料館の映像で事故収束、廃炉作業の様子が見られます。

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作業する場所によって装備が異なります。右が全面マスクの最重装備

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原発付近では中間貯蔵施設建設作業用のクレーンが林立。

 

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三角屋根はALPS多核種除去装置の施設。今回は中に入りません。

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高台で1から4号機の説明を受けました。

 

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1号機と手前は排気塔。排気塔の下は今も1000μシーベルトあり、排気塔の切断も遠隔操作で行います。請け負ったのはエイブルです。

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左が2号機、右は3号機。

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4号機は建屋内の燃料取り出しが終わっています。写真はそのために設置された設備。

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汚染水タンクは1000本にも。右がネジで止めるフランジ型、漏れるため左の溶接型に移行。9割は溶接型との説明。

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視察後は作業員の食堂で昼食。1食一律380円 。

 

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視察後の質疑では、資料館の展示が被害を受けた県民のことが触れられていないこと、反省を言いながら賠償を打ち切るなど真摯な反省が見られないことなどを指摘しました。