宮本しづえのかけ歩き

あかるくあたたかい県政へ

23日、吾妻第一ソーラー発電用地を視察。現地は山林同様。

 23日、吾妻開拓パイロット跡地に計画されている大規模ソーラー発電吾妻第一ソーラー発電計画用地を地元の皆さん、佐々木ゆう市議とともに調査を行いました。この計画は県内最大規模の80メガワット、194haの農地を利用するというもの。

 吾妻開拓パイロット事業はS45年から55年にかけて538haの山林を開拓して406haの農地を切り開いた国営事業です。現地には当時の農水大臣だった亀岡高夫氏の碑が建っています。暴風林まで農地にしたために、風が強く種をまいても表土が飛んでしまい作物が育たず、大部分の農家が農業を諦めざるを得なくなったいわくつきの土地。これまで様々な開発計画が持ち上がっては消え、開拓から半世紀を経て、ソーラー発電の計画が出てきたものです。開発者はカナダ資本の業者、現計画では開パの農地の半分近い農地を利用するとしていますが、牧草地を除く畑地はほぼ全部使うのではないかとも言われています。 事業者は地目は1種農地の平坦な畑地を使うので土砂を動かさないから環境アセスメントも必要ないと説明しているようですが、現況は牧草地は利用されているものの、畑地は林野そのものです。原発事故で耕作できずに6年がたった大熊、双葉の農地に灌木が生い茂っている状況を見ても、半世紀近く耕作できずに放置された農地がどうなるかは説明の必要が無いほどで、大型ブルが入らなければソーラー設置ができないことは明白で、環境アセスメントも当然必要だと思います。

 福島市は1種農地の農地転用や農振除外の手続きを簡素化できるとした農山漁村再生可能エネルギー法を活用して進める計画で、県内でも同法活用の第一号となります。この法律は大規模開発よりも耕作放棄地の利活用を進める狙いがあると考えられます。地域の農家やJAも参加する地域協議会を立ち上げ、計画策定し事業者を選定する仕組みですが、市の地域協議会立ち上げはこれからであり、事業者の計画先にありきのため地元の意見や要望が計画にどのように反映されるのかはこれからの協議次第となります。

 吾妻開拓パ地区を流れる鍛冶屋川支流を利用してワサビ田を作っているのが佐原わさび組合。ワサビ畑も見せていただきましたが、立派なワサビが育っていました。この上流にソーラー開発が進むとワサビ栽培にも支障が生じる恐れがあります。また、30万枚のソーラー版が設置されることで、集中豪雨が起きれば一気に水が鍛冶屋川に流れ込み水害を引き起こす懸念など、不安材料がいくつもあることから、慎重な対応が求められると感じました。

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