宮本しづえのかけ歩き

あかるくあたたかい県政へ

2023年度を目標年度とする地域医療計画素案が示され、基準病床数が約3000床減少に

 5年ごとに見直しされてきた地域医療計画の見直し素案が、昨日の地域医療審議会に示されました。それによると、療養病床と一般病床を合わせた基準病床数は、現在ある既存病床数と比較すると約3000床の減少、昨年策定した地域医療構想の計画病床数からは2000床多い数値となります。

 福島県では療養病床数は西日本の各県と比較すると少ない実態があったため、国の算定基準に基づいて計算するとかなり多い数値になります。現行の地域医療計画の基準病床数は15351床となっており、計画と既存病床数にも乖離はありますが、計画を上回る病床増は認めないとされており、新たな病床増加を抑制する作用がありました。原発事故で入院する病院がなくなった双葉群で唯一避難せずに入院患者を受け入れ続けてきた高野病院で、救急患者を受け入れられるよう病床増を申請してもついに認められなかったのは、この地域医療計画によるものでした。

 国は病床削減に向け診療報酬削減で減らさざるを得ない状況を作り出しており、来年の診療報酬改定でも更なる報酬削減が計画されているため、県民の医療を受ける権利はますます侵害されることになります。