宮本しづえのかけ歩き

あかるくあたたかい県政へ

15日、共産党県議団として川内、富岡、楢葉、広野の避難区域等の首長と懇談。

 15日、県議団は避難が継続する自治体を訪問し首長さんたちと懇談し要望を伺いました。最初に訪問した川内村では、遠藤村長と約1時間懇談。子どもたちが村の未来をつくるとの立場で、子育て支援策を小出しでなくセットで集中して取り組んでいることを強調。子どもが戻ってきたのは約100人で震災前の半分、そのうち35%は村外から移住してきた子どもたちだと言います。一人親世帯の支援を強化したことで7世帯が村に移住したと話しました。大震災と原発事故により全国に先駆けて少子高齢化が進んだ本県ですが、子育てのための財政支援を積極的に推進すれば、他地区からの移住者も生まれることは大変教訓的だと感じます。

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 富岡町の宮本町長も、子どもを持つ世代が帰還しない1つの要因として高校が無いことを挙げ、町に子どもたちが帰れる環境作りを県としても考えてほしいと述べました。

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 楢葉町は副町長と懇談。ここは101人の小中学生と66人の認定こども園の子どもたちが村で生活しており、予定より多くなったとのこと。日本一の教育環境づくりで農業と教育のまちづくりを進めていると言います。町民の帰還は2016年からV字回復、町の災害公営住宅は現在無料としている、保育料、給食費を無料化し給食は自公方式で行っている。復興のための特別財政措置があるのでできる部分もあり、国の財政措置の継続が課題だと述べました。

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 広野の遠藤町長は、広野町が双葉復興の南の拠点となり8000人が生活する町になっている。この町の一次医療を高野病院と馬場医院が輪番で担っているが大変だ。介護職員の不足も深刻で、デイサービスがようやく週2回から3回できるようになったばかり。要介護者は震災前の2倍に増加し介護費用も倍加している。必要な介護ニーズに対応する福祉体制の拡充が町の最大の課題だと話しました。官民合同チームが医療、介護、林業の事業者支援も行ってもらっているが、事業再開にこぎつけるのは困難も多いと言います。

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 どのまちでも共通して出された問題は、国の復興期間が終わった後の体制と財政支援がどうなるのかということです。

 川内村で出された事例は、圃場整備の受益者負担金が今はゼロだけれ財政支援が切れたらたちまち農家負担が出てくるのではないかとの懸念。10a当たりの負担金は30万円を超えます。1町歩で300万円、負担金ゼロだからやってみようとなった圃場整備の梯子を外されかねない事態に村は困惑していると言います。

 富岡町では、避難解除地区と帰還困難区域が存在するため、町民の分断を避けようと固定資産税の免除を全町で独自に実施しているとのこと。復興財源があるため独自策もできる条件があるが、特例措置が無くなれば財政的には逼迫は避けられないと言います。

 また、一部自治体からは第二原発廃炉に伴う電源交付金削減への影響を懸念する率直な意見も出されました。