宮本しづえのかけ歩き

あかるくあたたかい県政へ

31 日、山形市で開催の北海道東北議員研究交流大会に参加。慶応大の先端生命科学研究所長富田勝氏が講演。先端産業育成と人材育成の観点がユニーク。

 31日は山形市で開かれた議員研究交流大会に参加。県議会は共産党県議団から3人の配分。全体会の記念講演は、鶴岡市にある慶応義塾大学の先端生命科学研究所所長の富田勝氏が講演。大変興味深い話でした。富田氏は新たな化学技術を生み出すためには、これまでの発想を転換する必要があり脱優等生、脱都会の考え方に立つべきだと強調。人口13万人の山形県鶴岡市に大学が研究施設を設置したのは、20年前、鶴岡市長の長期展望に基づく人づくり、地域づくり政策の一環としてこの研究施設が誘致されたとのこと。今の世代にメリットが無くても、30年後を見据えた投資だとして土地と建物を寄付したほか、毎年県と市あわせて7億円の補助金が出ていると言います。

 所長の富田氏も大変ユニークな人物で、テレビにも頻繁に紹介されています。私も観ていた「夢の扉」という番組にはご本人はもちろん、この研究所から生まれた最先端県の研究者が登場、初めは周囲からとても無理と思われていた発想を実現させ、先端産業を生み出している様々な事例を紹介。世界の注目を集めるクモの糸を縒り合せたような強靭克つ軽量の繊維を開発した若者など、多彩な人材を輩出してきました。

 失敗にも拍手する文化が人を育てるのだと述べ、地元の高校生20人を研究生として受け入れているとのこと。受け入れのテストはAO式で行い、何をしたいのか研究テーマが明確になっている若者を受け入れ育てるやり方。単なる優等生なら都会に行けばいいとズバリ。地方の自由な空気の中でこそ自由で発展的な着想による研究が可能。地方から新しい日本を創造しようと訴えられたことは大変刺激的でした。

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 分科会は議会の政策立案機能の強化についてがテーマ。宮城県議会の報告者は共産党の三浦県議で、宮城県では29本の議員提案による条例ができているとのこと。議員立法の条例が本当に機能しているのかが問題だと感じていると報告しました。助言者の山大の先生からは、政策立案は条例という形になるものだけではなく、議会の質問で政策提案することも重要な活動の内容だとの指摘も。秋田県の県産材活用の条例、林内路網整備促進条例等は興味深いもの、また、岩手県では議会基本条例の中に災害時の県議会の対応を位置づけるなど、各県の特徴が表れていました。

他県からは福島県原発事故を踏まえ、国や東電から直対応を聴く場をどのように設けているのかとの質問が出され、私からこの間全員協議会方式で行ってきたが、この2年間は必要性の認識に差異があり開かれていないことを紹介。

私が参加した議員研究交流会の中では有意義な会議でした。