宮本しづえのかけ歩き

あかるくあたたかい県政へ

Jヴィレッジの(除染)で出た除去土壌はどこに使われたのか。情報開示を求めた個人情報を県は東電に流したのか

 Jヴィレッジの(除染)をめぐり、あれは除染ではなく原状回復工事だと言い張る県と東電ですが、実質的には除染です。避難区域の除染は国が直轄で行いますが、国が計画した時期に事業者の協力が得られなかったため、事業者の責任で除染ではなく原状回復工事を行ったとの説明です。東電が協力しなかったのではなく、原発事故収束作業の拠点として利用されたのであり、国も承知のはず。時期をずらして計画すれば済む話です。それをなぜ原状回復工事として東電に責任を負わせる形で実質的な除染を行ったのか、疑問が付きまといます。

5万㎥もの土壌が土木工事に利用?

 同時に、Jヴィレッジの原状回復工事(除染)で出た土壌量5万2818㎥がどこかの土木工事に使用されたことは大問題です。

 環境省は除染の除去土壌を再生利用する方針で、県内各地で除去土壌の再生利用の実証事業を計画しましたが、二本松市でも南相馬市でも反対運動が起こり事業の中止、断念に追い込まれました。唯一地元住民が合意し事業化されたのが飯舘村の長泥地区です。実証事業の受け入れを条件に、除染前提の帰還困難区域内特定復興再生拠点の指定を行うとされたのです。帰還困難区域の避難解除を希望した住民は苦渋の選択で国の提案を受け入れたと話します。この長泥地区の実証事業に使われた除去土壌量は800㎥、実証事業で影響なしと判断されると土地造成エリア34haに除去土壌が基盤材として使われることになります。この実証事業の量と比較しても、Jヴィレッジの除去土壌の再利用量5万2800㎥は桁違いに多すぎます。Jヴィレッジから出た土壌の多くが剥いだ芝生と土、放射線量を誰が確認したのか、8000ベクレル以下だったかどうかも分かりません。これだけの除去土壌が一体どこでどのような工事に利用されたのか、国、東電、県は県民に明らかにすべきです。

  他に防球ネットなどの8000ベクレルを超える指定廃棄物118㎥が、東電敷地のどこかに保管されていますが、その場所も隠されたままです。

 併せて、これらの経過を開示するよう求めたおしどりマコさんの個人情報を、県は東電に知らせたのかが問題になっています。事実なら個人情報保護法や県条例違反に。

一連の事実経過を隠さず県民に明らかにすべきです。県は公開質問状を出した馬奈木弁護士とおしどりマコさんに、17日文書回答の予定です。

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馬奈木弁護士とおしどりマコさんのレクチャーを受ける県議団と立憲議員