宮本しづえのかけ歩き

あかるくあたたかい県政へ

23日、県議団が浪江、大熊、富岡の避難町を視察し懇談

 23日、共産党県議団は浪江、大熊、富岡3町の避難自治体を訪問し課題を聴き取りし懇談しました。浪江町は副町長、大熊、富岡は町長が出席していただきました。

3町とも帰還困難区域を抱え復興に向けた課題では共通する面がある一方で、帰還困難区域が大部分を占める大熊、面積の8割が帰還困難区域の浪江町、大部分は既に避難指示解除されている富岡町では、抱える課題にも違いが出ています。

 浪江町は、戻った人口は元の人口の6%に留まっている、避難指示解除まで6年かかったことで避難先に住居を構えた世帯が少なくないと言います。町は、戻った人の働く場の確保に向けた取り組みも進めてきたが、、雇用条件が折り合わずいざ求人をかけると人が集まらミスマッチがあると言います。

 大熊町も大河原地区が真っ先に避難解除され、個々に町役場を建設し帰還者の受け入れ、新たな街づくりに取り組んできた。現在の居住者は約900人だが、戻った住民は300人台で後は東電の社員等の作業員だとのこと。

 富岡町は既に避難解除された地区に戻った住民は2000人弱とやはり少なく、帰還困難区域が人口の2割程、その中で特定復興再生拠点に住んでいた住民が多かったため、この地区の避難解除に期待している様子が窺えます。

 3町とも帰還困難区域の特定復興拠点外の避難解除をどう進めるかが課題と言います。国が去年8月に示したのは悖る希望の世帯のみ除染を行って避難解除するというもの。これには住民は納得できないと反発が強く、町も全世帯の除染を求めています。一部だけ除染しても生活圏全体が除染されなければ安心して戻ることはできないのは当然のことです。もともと放射線量が高かった区域であり、避難区域外の地域と同様の除染方法では安心して生活できる空間を取り戻すことは困難です。

大熊町では除染した区域の住宅の平均空間線量率は0.63μシーベルト、山林は除染により逆に高くなったところもあり再除染したが、10μシーベルト以上の場所も残されているとのこと。

 3町共に住民説明会を行い要望を取りまとめて国に提出することにしており、国が加害者としていかに責任を果たすのかが問われます。

 一方、国は避難区域内に国際研究教育拠点施設建設を計画、全部の避難市町村が誘致に手を上げました。誘致したいために住民要望がなおざりにされるようなことがあってはなりません。

 国が示した避難自治体の医療、介護の減免を避難解除から10年で打ち切る方針について、各自治体ともにそれで良しとはできないと言いつつ、いつまで継続を求めれば良いのか悩ましいと言います。避難者の命綱をそう簡単に打ち切ることはできません。国も自治体も避難視野に寄り添った対応が求められます。