宮本しづえのかけ歩き

あかるくあたたかい県政へ

7から9日、県民健康、子どもの未来特別委員会県内視察

 健康と子育て、子どもの支援に関する特別委員会県内視察で、双葉未来学園、川内村義務教育学校保育所医大県民健康センターと生殖医療、川内村郡山市のペップキッズ、建て替えられた県立矢吹病院、郡山市当局、県立総合療育センターを訪れました。いずれの施設も健康と子育てを担う大事な施設で、現地で頑張っている方々から貴重な話を聴くことができました。医大の健康増進センターからは、浜通り生活習慣病が多く、県北は脳血管疾患が多い傾向があることが報告されました。私からは、浜通り方部については避難地域の住民の課題と一体で捉える必要があるのではと問題提起しました。循環器疾患登録事業により、県内各医療圏毎の実態と課題が見え始めています。

 川内村では、人口減少対策としても子育て支援に力を入れており、多様な対策が取られています。特に若者や子育て世帯への手厚い支援は、村外からの移住者を呼び込む要因となっています。今年4月の子どもの数は104人で、46人は震災後の転入だとのことです。

郡山市のペップキッズでは理事長の 菊地先生からお話を伺いました。東日本大震災原発事故を契機に始まった子どもの遊びを保障、支援する活動はコロナ禍でも必要な課題であるとともに、子どもの生活環境が変化し外遊びが減少しているが、子どもは遊ぶ環境があれば自由に遊ぶことができる、同時に遊び方を指導するプレーリーダーが必要になっていると指摘。この施設では市の委託事業等で20人以上のプレーリーダーが活動しています。

 新しくなった福島医療センターこころの杜では、新設された思春期病棟について担当の副院長から話を伺いました。大震災、原発事故で心に傷を負った子どもたちは、当時のことがトラウマとなって今になって押し寄せてきていて、自殺企図での入院依頼が多く、子どもの精神科の救急病院のような切迫した状況だと説明しています。子どもたちが置かれている厳しい生活環境がこうした形で反映して考えられます。新設された20床は間もなく満室になると思われ、後方支援体制が必要と感じました。

 郡山市ではベビーファースト運動に参加を表明し、各種の子育て支援に取り組んでいます。その一つに新婚世帯の生活支援策があり、今年度から住宅リフォームも含めて30万円の補助を行っています。また、一人親の子育て世帯には家賃支援として市が1万円を補助、県と国補助を合わせると月4万円の補助を行うとしていますが、国のセーフティネット住宅支援制度を活用するため、住宅の所有者が市に登録しなければなりません。今のところは登録車がいないため、制度の周知を図っている段階とのこと。これからの活用が期待されます。

 総合療育センターでは医療的ケア児の支援の取り組みについて調査。県内には医療的ケア児は272人が掌握されているが、行政が把握していない児童もいると言います。国は、児童福祉施設で看護師を配置すれば医療的ケア児の受け入れが可能とする制度を作りましたが、家族と施設を結ぶコーディネーターは県内には13市町村に80人がいますが、本格的な養成はこれからです。高齢者の介護保険のようにいつでも相談できるケアマネージャーのような担当者が医療的ケア児には配置されていません。家族が介護を依頼できる施設も限定されており、実際には家族任せになっているのが実情。法改正を機に本格的な支援改正の整備が急がれます。