宮本しづえのかけ歩き

あかるくあたたかい県政へ

共産党が教員を10年間で9万人増を提案。福島県は教員の多忙化解消どころか独自のテストを増やす逆行ぶり。

 教員の多忙化が社会問題となる中、11月、日本共産党は10年間で教員を9万人増員する提案を発表しました。国が教員の定員を定める標準法は今から60年も前に作られたもの。当時の考え方は教員の授業時間は1日4コマ、週24コマを基準にしていました。8時間勤務の中で4時間を授業に充て、あと4時間は授業の準備や校務に充てるとされていたのです。ところが今では1日に5から6コマの授業を行う先生もいるなど、授業の準備に使える時間は殆どなく、子どもの相談を聴いたり一緒に遊ぶ余裕が殆どなくなっています。そこで、先生の持ち時間数の上限を定め、1日4コマ、週単位で小学校20コマ、中学校18コマまでとする。そのため小中学校の教員定数を10年間で9万人増やすこととします。必要な予算はGDP比で2.9%とOECD加盟国中最低の教育費公費支出割合を0.1ポイント約5000億円引き上げれば可能です。

 教員の多忙化解消のため、長野県、奈良県では今年度から県独自の学力テストを廃止。広島、宮城両県は、学力テストは行わずに生活調査の質問だけ実施。福井県議会は県の学力テストの中止を求める決議を可決しています。神奈川、岐阜県福島県と同様に今年度はやらないとしましたが、来年度以降は未定。その中で福島県教委は来年から県独自の学力テストを小学4年生から実施と、むしろ拡大する逆行ぶり。原発事故の影響もあり、福島県の教師は他県よりも丁寧に子どもたちに寄り添う教育が求められている時に、県の教育方針が学力向上一辺倒で良いのかが改めて問われています。

18日、完全賠償を求める県北の会総会。伊東達也氏が講演。

 18日、完全賠償を求める県北の会総会が開かれ出席。総会は2年ぶり。この間生業裁判に参加していない人を対象に東電への直接請求にも取り組んできましたが、東電の態度はまったく不誠実なままであることが報告されました。私からは2期目の内堀県政について報告し、被害者県民の闘いこそが県政を変え国と東電の姿勢を変える力であると報告。

 記念講演した全国原住連代表の伊藤達也さんは、原発事故が今の深く県民を傷つけ続けている実態について、特に健康被害をどう捉えるかについて詳しく述べました。放射線の影響が科学的に解明されていないもとで、県民一人一人の受け止めが異なる事、甲状腺がんと診断されても他人には言えない苦しみがある、それは広島長崎の被爆者が受けた偏見や差別と重なるからだと指摘。三菱総研が行った世論調査で、福島の原発事故により次世代に健康への影響が起こると思うかの問いに、都民の49.8%、半数が起こると思うと答えていることを紹介、福島県内の37.6%と比較しても県外の人が福島県をみる見方が違うと言うこと、こうした県民の苦しみに寄り添う取り組みの重要性を語りました。

 また、原発労働者の多重下請構造の中で、この間の原発労働者の裁判で明らかになったNさんの事例を紹介したのは衝撃的事実でした。東電から鹿島建設が元請となり日当と危険手当2万円計1日4万3千円で一次下請けに出し、ここで1万8千から1万9千円ピンハネ、二次下請けで7千~8千円ピンハネ、Nさんの直接雇用主である戸田建設が5千円ピンハネ、Nさん本人が受け取った日当+危険手当の総額は僅か1万1千円だけ。4万3千円から3万2千円に74%もピンハネされる多重下請けの実態は凄まじいものです。この数値も裁判所が命令してようやく提出されたものだとのこと。多いときには1日1万人が働いており単純計算でも3.2億円ピンハネが行われていたことになります。廃炉作業の安全確保の点からも廃炉作業にかかわる労働者を公務員並みの処遇保証をと求めていますが、中間搾取をなくせば決して不可能でないことは明らかです。

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 農民連の代表は、来年から農業の賠償仕組みが変わるが、これまでは2008年から2010年の資料提出を求められていたが、今度は2006年つまり12年前の資料提出を求めている。税務調査でもありえないことが賠償では起きていると、加害者東電の異常な賠償渋りの実態を告発。

 娘さんの精神的賠償をしてほしいと訴えた女性は、娘は事故の年に念願の幼稚園教諭となったが園児の減少で解雇され、自分を責めて引きこもりとなってしまった。娘の精神的苦痛と見守る親の苦しみは計り知れないものがあった。ADRに申し立て休業補償と精神的賠償を求めたが、東電は休業補償しか認めず精神的賠償は払われなかったと悔しさをにじませました。被害者が被り続ける被害の完全賠償を求める闘いは、益々重要になっています。

15日、12月議会に向けた知事申し入れ。内堀県政二期目に当たり、安倍政の悪政にものを言い県民に寄り添う暮らし福祉優先の県政に転換を

 15日は12月場会の知事申し入れ。内堀知事二期目に当たり、基本姿勢として安倍政権の悪政に県民の立場でモノを言い、県民に寄り添い暮らし福祉優先の県政に転換することを求めました。安倍政権との関係では、憲法改悪、消費税10%への増税外国人労働者受け入れの入管法改悪、漁業法改悪など臨時国会で重要案件が山積しており、憲法破壊、くらし破壊は許されず、県民の立場ではっきり反対を表明すること、また、本県復興の前提となる福島第二原発廃炉を早期に決定し、廃炉工程を示すことを東電に迫ること、原発被災県として福島から全国の原発再稼働に反対し、原発ゼロを発信するよう求めました。 県政では、今も尚県発表だけでも4万3千人を超す避難者がいる厳しい原発事故の被害に対して、避難が解除されない帰還困難区域を含めた住宅提供打ち切り等の被害者切り捨ては許されず、全国からも批判の声が上がっていることを示して、避難者への住宅提供、家賃補助の継続を求めました。賠償打ち切りについては、商工業者の追加賠償請求が悉く拒否されている実態を、県が丁寧に聞き取り調査を行って把握し、国と東電に迫る取り組みが必要だと求めました。期間が進まない要因ともなっている医療、介護体制強化のためを、医師、看護師、介護士不足対策の更なる充実を求めました。日本一子育てしやすい県づくりに向け、学校給食費無償化を県の事業として実施すること、健康長寿の県づくりに向け、各種健診の無料化や元気高齢者をつくるため、他県で取り組みが進んでいる研究者を交えた科学的調査と研究に基づく県民運動に本県としても本格的に取り組むことを求めました。 県が今年実施するとしている国語の読解力調査、来年4月の県独自の学力調査は中止を求めました。

 避難区域浜通りの復興で、県が復興・創生期間の柱とするイノベーションコースト構想は、南相馬市事業者の8割から効果が無いと回答されたように、厳しい評価が下されていることを踏まえて、事業そのものを見直し、地域住民のくらしと生業の再建を柱に据えるよう求めました。災害対策では、河川改修の予算の増額、避難所機能強化のため、体育館に自家発電設備やエアコン、洋式トイレの設置、食量や毛布等の資材の備蓄等を求めました。

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