宮本しづえのかけ歩き

あかるくあたたかい県政へ

23日、9月議会に向けた政調会。福島県も障がい者雇用を水増し。

 23日、9月議会に向けた政調会が開かれました。補正予算規模は100億円程度。そのうち17億円は中間貯蔵施設用地確保にかかる価格差補填を県が大熊、双葉両町に交付してきた交付金150億円に不足が生じるための追加分です。そもそも土地の評価額が下落した責任は原発事故を起こした国にあるのに、国が中間貯蔵施設用地を取得する際の評価額が事故前の半額になったからと言って県が一般財源で補填するのはおかしな話。国の責任で措置すべきものだと指摘しました。

 障がい者雇用を巡り、国の省庁が障がい者手帳を持たない人も障がい者に参入し雇用率を計算していた実態が明らかになり、大問題になっていますが、福島県でも同様のことが行われていました。知事部局では2015年から2017年の3か年で19人、教育委員会では2013年から2017年までで263人に上ります。その原因は国の通知に曖昧さがあったためだと説明しています。精神障がい者は手帳所持者と明記していますが、身体障がい者は手帳交付に該当する障がいがあると認められるものと手帳所持者と規定していないため、同程度の障がい者ならカウントできると解釈したというのです。2014年に法定雇用率2.3%を下回ったため、2015年度から都合よく解釈して法定雇用率を引き上げようとしたとの説明。今年度からは手帳所持者のみをカウントしているとのことで、4月1日現在の雇用率は知事部局で2,66%と法定雇用率2.5%を上回っていますが、教育庁は1.81%で法定2.4%を下回っています。今年障がい者差別解消法に基づく県条例の制定を目指す県は、今回の事態を真摯に反省し、積極的に雇用拡大するよう求めました。

 避難区域内事業者の再開支援事業について、県はようやく今年から避難区域外での再開も区域内再開と同様に4分の3の補助率を適用する方針を明らかにしました。但し、大熊、双葉の2町のみ。一歩前進とはいえ、帰還困難区域外の事業者でも避難区域外で事業再開を希望する事例はあるのに対象にしないのは不適切。避難者をあくまで帰還させようとする県の方針の表れですが、どこで再開するかを含めて避難者の意思を尊重し再開を支援すべきなのです。

 今年度の除染土壌の中間貯蔵施設への搬入計画180万㎥に対する7月末の到達は36万㎥と大きな乖離があると指摘し、原因と対策を質すと、中間貯蔵施設整備の遅れがあるとのこと。住民は早期の搬出を望んでおり、計画通り進捗するよう国に対応を迫るべきと求めました。

 モニタリングポスト撤去にかかる住民説明会は6箇所で終了、今後の日程が決定しているのは4自治体、日程は未定でも実施計画があるのは9つと報告。住民が分らないうちに説明会も開かず撤去されるようなことがあってはなりません。

 教育庁ではエアコン設置について何の説明もなかったため、県の考え方を質したところ、教育長は研究中だとの答弁。この問題は子どもの命に係わる事柄であり、研究ではなく急ぎ対応すべき課題だと指摘して、国待ちではなく県の早期の対応を求めました。

賠償の関係では、国の原子力損害賠償紛争審査会と国の機関が避難区域を視察したとの報告がありましたが、国の機関のうち資源エネルギー庁は来ていないことが分かりました。実質的な賠償を取り仕切るエネ庁は現地を見るでもなく賠償を打ち切るのかと思うと腹立たしくなります。

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19日、全県議員会議。20日から22日まで山口県と九州視察。熊本県が被災者の復興に向け独自の住宅再建支援策。

 19、20日と全県の議員会議。私は視察のため1日だけの参加に。党中央の自治体局次長が講演し、今年から来年にかけて計画されている住民生活にかかわる各種制度の改変内容について説明がありました。どの問題も安倍政権の国民生活切り捨て政治がもたらす弊害ばかり、いよいよもって安倍政権には退陣してもらわなければなりません。11月の南相馬市議選の候補者も決意表明。渡部寛一市議と新人の栗村さんがあいさつ、私も月間の取り組みについて報告しました。

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20から22日まで企画環境委員会の視察で九州へ。山口県では水素エネルギー活用について周南市の水素発電施設を視察。ここは化学工業が盛んで廃棄される水素を活用した発電施設を岩谷が行っていました。それでも水素燃料の価格は安くはないようです。

 熊本県では被災地の復興状況の説明を受けました。県は住宅の再建が復興の基本と位置付け、熊本方式と呼ばれる支援策を実施しています。一般住宅再建に必要な資金を借りた場合に利子補給する仕組みです。何もない福島県と比較すると、僅か2年でいち早く制度を立ち上げて取り組んでいることは流石だと思います。

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 福岡県では再生可能エネルギー推進の取り組みを伺いましたが、県内で消費するエネルギーに占める再エネの割合は8%とまだまだ低い水準にあり、本県の30%は高いことが分かります。但しその中身がメガ発電に依存しているため、地産地消、住民参加型にいかに転換するかが課題です。

17日、県漁連野崎会長と懇談。トリチウム汚染水の海洋放出は認められないと

 17日、岩渕友参院議員、野口徹郎参院選挙区候補とともに県議団は県漁連の野崎哲会長を訪ねて懇談しました。国の原子力規制委員会が東電に対してトリチウム汚染水の早期処理を迫り、自民党の福島復興第七次提言でも同様のことを求めている中で、県漁連としての考え方を伺うために懇談を申し入れたもの。

 野崎会長は、現在の科学技術では除去できないトリチウムを含んだ汚染水について、サブドレンや地下水バイパスからの汚染水の海洋放出を認めてきた経過があるが、これはあくまでも1500ベクレルの基準以上のものは放出しないことで管理されてきた。今回かりに薄めて海洋放出する方法を選択するとなれば、これまでの海洋放出とは全く異なるものとなり、それは認められないと言うのが漁連の考え方。まだ試験操業の段階にあり、事故前の漁獲量のふわりにとどまる下で、1魚種1検体の放射能検査を継続しようやく福島の魚への信頼を回復してきたのに、トリチウム汚染水が大量に海洋放出されれば、これまでの信頼を大きく損ねる懸念がある。自分たちの努力を水泡に帰するようなことは認められない。中央の漁連も同じ立場だと言います。

 デブリ保管場所の確保は廃炉に取り組む前提の話、廃炉作業に支障があるからタンク設置場所を空ける必要があると言う理屈も可笑しいと話します。国は漁業者の気持ちを分かっていない。若い後継者が育ってきた矢先の事故だっただけに悔やしい。現在の後継者を大事に育てるためにも、安易な海洋放出はしてほしくないと語気を強めました。

 県民が納得しないままの汚染水処理は看取るない立場でともに力を合わせましょうとの話し合いとなりました。

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 帰り道に、いわき市内郷高野地区に設置されたソーラー発電設備が、地震と大雨で土砂崩れを起こした個所を視察。400kワットの小規模なものでも、山を切り開けば土砂災害が発生する危険性はあるわけで、大規模発電では尚のこと環境保全の対策が必要であることを痛感させられました。

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