宮本しづえのかけ歩き

あかるくあたたかい県政へ

1日、汚染水について議論する2回目の福島円卓会議に参加。IAEA報告だけでは決められない。問題だらけの海洋放出。

1日、原発汚染水問題を議論する2回目の福島円卓会議が開催され参加。今回は、3つのテーマに絞った議論が交わされました。①IAEA報告書をどう読むか②漁業者の現状と意見を聴く③汚染水抑制対策の県の廃炉安全監視協議会での議論の焦点についての3点です。①のIAEA報告書について報告した福大の難波教授は、国が海洋放出を決定した後に国際機関に評価を求めたもので、委託された内容も科学的評価に限定されたもの。社会的、経済的影響評価は求められていないが、関係者との協議と理解は必要だとしている。②県内漁業の現状を報告した柳内県漁連理事は、本格操業に移行の準備段階でも漁獲量は事故前の2割に留まっている。同時に仲買業者の半数が既に廃業に追い込まれており、魚をとっても買う業者がいないので、獲る量を調整せざるを得ない状況がある。③汚染水の抑制対策について報告した柴崎教授は、東電が示した2028年の1日の発生量目安50から70トンは多すぎる、このペースでは年間にタンク20基分も増加する計算になり、海洋放出はエンドレスになること。処理水処分は東電が年間計画を提示し、県の廃炉安全監視協議会で議論したうえでなければできないことになっているのに、東電からはその計画は示されていない。このままでは海洋放出できるわけがないと報告されました。国も東電も十二分に承知しながら、勝手に海洋放出時期を決めようとしていること自体が大問題です。トリチウムを希釈する港湾内海水のセシウム濃度が高いとの指摘も。0.5ベクレルを検出限界値としているが、魚の体内では500倍に濃縮されると言われており、100ベクレルの食物の基準を上回る可能性もあるとされるため、トリチウムの検出限界地は0.1ベクレル程度にすべきとの専門家の指摘も紹介されました。

 私も質問し、東電が汚染水抑制対策に掲げる局所止水が本当に可能と考えるか聴きました。柴崎教授は、どこに穴があるのかの特定すらできておらず、どこか1か所ふさいでみても次々と新たな個所が出てきてモグラたたきになるだろうと答えました。その通りだと思います。本気で抑制しようとするなら、広域遮水壁設置に真剣に取り組むべきです。

 福大の元学長はじめ研究者、JA役員、漁業関係者、消費者団体、一般市民が一堂に会して、県民参加型の汚染水議論が行われる意義は極めて大きいものです。