宮本しづえのかけ歩き

あかるくあたたかい県政へ

26日、6月議会に向けた政調会。避難解除に伴い避難者への賠償、支援策打ち切りの見直しで暮らしと生業の再建支援を

 26日、来月20日から開会する6月定例会に向けた政調会が開かれました。

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県が22日に発表した避難者数が、1週間前との比較で1万人減少した理由を質すと、自主避難者をカウントから外したとのこと。そのことが情報提供などの支援打ち切りとなりかねないことから、支援の継続を求めました。自主避難者で5月19日時点で移転先が未定で仮設借り上げ住宅に留まっているのは、137世帯、不在で未確認は26世帯あることを明らかにしました。

来年3月末で住宅の無償提供が終了する楢葉町については、今年6月から戸別訪問を実施の予定で、2000世帯のうち1200世帯を訪問するとのこと。自主避難者同様の問題が発生することは必至であり、打ち切り先にありきではなく、再延長を含めて検討すべきと求めました。

 避難解除に伴い、来年4月以降賠償の打ち切り、住宅家賃の発生、税の減免の一部終了による負担増などで、収入がなくなる一方で新たな負担が生じるため、避難者の生活が激変すると指摘し、帰還が僅かにとどまっている現状を踏まえるなら、賠償の継続で避難者の生活を支える必要があると指摘しました。

 水素社会実現に向けた実証事業として、浪江町に大規模な水素製造工場建設を計画していることについて、エネルギー効率が低い水素を使ったエネルギーの技術的な検討を県として行うべきであること、浪江町に事業用地の造成費用を負担させることは問題だと指摘。性急な事業展開に警鐘を鳴らしました。

 福島大学が設置予定の仮称食農学類について、県としても積極的に支援すべきと求めたのに対して、県としては大学の要望を聞いている段階と答弁。福島市が10億円を超す負担金の支出を検討しており、県も相応の役割を発揮すべきです。

除染については、フォローアップ除染が進まない状況の早期打開のため、県が国に対応を求めるべきと質しました。また、福島市からは、県から福島市はいつまで除染の話をしているのかと言われるとの苦情があることを紹介し、もっと市町村と県民に寄り添い除染の促進を図るべきだと指摘しました。

 三春町に県が設置した環境創造センターコミュタンについて、放射線をゲーム感覚で防護するコーナーがあるが、これには批判的な意見が寄せられていることを紹介して、コーナーの見直しを求めました。

 商工労働部では、県内の商工業者が原発事故の影響で依然として厳しい経営を強いられているおり、県としてその実態を把握するための調査を行うべきと求めましたが、明確な回答はありません。外からの呼び込みに腐心するだけでなく、もっと地元の事業者に心を寄せて支援する県の姿勢こそ必要だと指摘しました。

 2018年からの国保広域化について、県は市町村の国保税標準税率の試算結果をまとめた内容の概要は、税率が上がる市町村は避難指示区域の10市町村を含めて20、下がるのは39市町村になることを明らかにしました。最大に上がるところでは71.5%にのぼり、最大の下がり幅では39.8%になると言います。県は、この試算の前提に国のマニュアルが持つ二つの問題があると説明。①前期高齢交付金の算出方法がこれまでと異なり、前期高齢者の割合が低いほど交付金が多くなり、保険税が低くなること②前年度繰越金の算入の仕方で保険税に差が出ることです。そのため、このままでの公表は控え、再度試算しなおす方針です。国はその問題も認識しており、夏ごろまでには新たな試算マニュアルを示すとしているため、8月に予定している2回目の県の国保運営協議会までには新たな試算結果を示したいとしています。

  県立高校のあり方を検討している学校教育審議会は、6月ごろには最終答申を出す予定との報告。高校再編統合は県民の意見をよく聞き反映させるよう求めました。