宮本しづえのかけ歩き

あかるくあたたかい県政へ

松本葛尾村長と懇談。小さい自治体の知恵が生きる復興の取り組み

 3日、三春町に仮役場を置き全村避難の葛尾村長、副村長、総務課長と懇談、要望を伺いました。3年前は1565世帯だった村は、家族が離れて避難いているため、今では2倍以上に世帯数が増えています。4年目に入ったとは言え、除染も進まず避難解除の見通しは立たないと話します。村民は多様な選択をせざるを得ない状況に置かれており、帰還するか否かなどという単純な二者択一は迫れない、国は避難解除準備区域はあと1年で解除させたい意向だが、それは難しいと感じていると述べ、国は早く終わらせたい様だと、暗に国の姿勢には不快感を抱いている様子でした。

 復興公営住宅は125戸建設予定ですが、県営ではなく村が建設する方式を取りました。村内の業者で社団法人を作りそこに建設を任せる方法で、34億円の建設費を村内に還流させるといいます。職員は事務手続きなど面倒な作業もあるため何で県に任せなかったのかとの意見もあったようですが、地域経済活性化、地域再建のためだと説得したそうです。2戸で1棟の建設方法を取り、家族が別世帯になっても同じところで生活できるように工夫しています。小さい村の大きな頑張りを見た思いがします。

 除染費用が他の市町村と比較しても1戸当たり1億円近くと高い理由を伺うと、農地の除染を反転耕では下が石で難しいため、表土を剥いで客土する方法を全ての農地で実施させたそうです。それができたのも、原発事故発生の年に村独自に500メートルメッシュで土壌の放射能測定を行ったところ、全部で5000ベクレルを超えていることが判明、この事実を国に突き付け、莫大な除染費用を認めさせたということです。この点でも村の頑張りが光ります。ただ除染にお金をかけても、山だらけの村内の放射線量が極端に下がるわけではなく、帰還できる環境を取り戻すのは大変なことです。

 国が勝手に年間20ミリシーベルトまでは健康への影響はないとして帰還を促す方針ですが、住民にとっては納得できるものではありません。

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